京急日ノ出町駅前「喫茶室 ル・ドーメン」が閉店していました。
記事にしていないが、今年1月、一度だけ訪問している。
アップしなかったのは微妙だからとか、ネガティブな理由ではなく、むしろ逆。
時間帯を変えてぜひもう一度行きたい。どうせアップするならその後にしようと思っていたからです。(時間帯を変えての件については後述)
ところが、それ以降何度きても閉まっていたのです。
そこで7月に平日休みを取って、金沢八景の「喫茶オリビエ」に行き、ついでに寄ってみることにしました。「この時間なら間違いないだろう」と思われるガチの時間帯を選んで。
けど、またもや閉まっている。しかも様子がおかしい。
店の脇を警備員の人が立っていました。
植木もぐったりして、手入れされていない。
背後では工事中。なんか嫌な予感!
思い切って警備員さんに尋ねてみました。
「この喫茶店閉店したんですか?」
「こちらがどうかは知りませんが、この辺り一帯はほとんど閉まってますよ。もう随分前からですが…」
日ノ出町再開発である。
平成26年に大岡川沿いに地上21階・地下1階の大きな複合施設が出来るらしい。(→詳細はこちら)
ル・ドーメンも再開発対象地域に入っていました。
少し辺りをうろついてみたところ、不二家を始め、ほとんど店は閉まっており、移転先等の貼り紙が出ていました。
この渋い看板の電器屋さんにも出ていたし。
ところがルドーメンには何にも出ていないのです。かなり念入りにぐるりと1周しましたが、貼り紙が出ていない。それとも閉店ではなく移転したのだろうか?
そこで、かねてより横浜純喫茶の情報提供をしてくださるH様に、その旨メールしてみました。ご存知かな、と思って。
4月に廃業した、というお返事いただきました。
あぁーー!私が訪問したのは閉店2~3ヶ月前だったということですね。お客さんも多く賑っていて、全く閉店なんて考えもしませんでした。
のんきに「また来よ♪」なーんて考えてたわけです。
ただ、常に閉店を意識して、悲壮な気持ちで純喫茶めぐりをするわけにも行かない。これからはご縁のある店には行けるときに行くべきだと思った。後は消えていく店をブログという形で記録していこうかな、と。
以下は2012年1月下旬に訪問した思い出を綴っていきます。正直、記憶には自信がありません(笑)。適当に読み流していただければ幸いです。
(訪問日:2012年1月下旬)
とにかく風格が半端ない。
看板のカラーリングも大胆かつ派手。だが渋い。
土日はグリーンチャンネル放映中。日ノ出町はウインズの町であった。
午後1時頃、店内にはまだお客は少ない。
昭和30年代~40年代を思わせる、私好みの内装でした。窓辺には白いレースのカーテン。そこからソテツの木が透けて見えた。懐かしいオレンジのペンダントライトがキッチュで可愛い。椅子もオレンジのベルベットで、コロンとした形。
ゲーム機がズラリと一方向を向いて並んでいた。1人でゲームをしているおじさんもいた。
そのうち、あれよあれよとお客さん入場。
すぐに競馬のファンファーレが流れた。テレビでは競馬中継開始。
空気がガラッと変わった。大丈夫か?私。
やはり競馬中継の雰囲気は独特だ。私は間違いなく場違いな客だった。でも、ナポリタン注文しちゃったし。お腹空いたし。さっさと食べて出よう…。
でも雰囲気はアレですが、ナポリタンはすんごーい美味しかった。私の好きな太麺。少し甘めの味付けが懐かしい。
コーヒーも美味しい。
こうなったら今度は時間帯を変えてくるぞ!今度は競馬中継の時間を外して来よう。夜12時まで営業って書いてあったし、夜に来よう、と固く誓うのであった。
残念ながら、これが最初で最後の訪問になりました。一期一会というのはこういう時使う言葉ですね。
そういえば、1人印象に残っているお客さんがいます。競馬ファンとは明らかに違う、スーツ姿の老紳士。杖をついて入ってきました。テレビには背を向け、カウンターの中のママさんと親しげに話し、コーヒーを飲み、15分程で帰っていきました。
なぜか今でも鮮やかにそのシーンが思い出されます。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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