純喫茶好きなら、「邪宗門」を知らないとモグリ。
起源ともいえる国立店は2008年12月に閉店したが、それでも全国7店は絶賛営業中。ちなみに私はここ最近、すっかり荻窪店の常連になってしまいました。
ということで、2011年下半期は邪宗門を極めるのが目標。全国制覇、したい、しよう、とは思っていますが、まずは東京都内から。
で、「世田谷邪宗門」である。
東京都世田谷区代田1-31-1
世田谷邪宗門ホームページ
ここは完璧住宅街。最寄駅らしき最寄駅がありそうでない。強いて言えば世田谷代田。でも、決して近くないんである。それよりは電車の本数なんか考えると、下北沢から徒歩がいいじゃないか、と思う。競歩で15分くらいかかるけど(笑)。私はといえば、気になるといちいち立ち止まったりして、30分以上ゆうに歩きましたが、これまた楽し。
荻窪店もレトロだが、ここ世田谷店もまた違った趣のレトロ。木々植物いっぱい。
外でうろうろ写真なんか撮ってたら、中からマスターが出てきたので、慌てて店に入ることにした。
窓際の席が明るくて雰囲気あっていいなぁ~と思ったんですが、先客アリ。そこでズズイーーと奥の席へ。
ぶら下がった年代物ランプ多数、棚には年代物カメラ多数、壁には火縄銃多数。その他押し花。and more
美空ひばりコレクション専用部屋なんかもあります。
節電なのかぼんぼりの電気は消えていた。ちょっとだけだからねっ!!!
勝手に電気入れたら、目に入った、隣に、小さな引き出し。
「未成年者の開閉禁止」 んーー。なんだろう・
「……………」
現地でお確かめください、とだけ言っておこう。
壁の多数の火縄銃に紛れて、一挙にテンション上がるブツ発見。鎖帷子(くさりかたびら)。
「これが鎖帷子か」。実物の鎖帷子に異様に反応する私。火縄銃よりなによりも鎖帷子。ごくごく個人的ツボなんですけど、たしかに着たら金属アレルギーなりかねない、と見て思った。
気になる方は「手製の鎖帷子」で検索を。全然邪宗門とは関係ないんですが。
はい、ここで豆知識。邪宗門はチェーン店ではありません。じゃ、なんなの?
答えはマジシャン繋がり。けど、店主(門主)にちょいちょい話しを聞くと、もっと深い、思い入れというか歴史があり、偉そうに語るのはせめて全店制覇してからにしようと。興味ある方はぜひお店で直接聞いてみてください。
そうそう、チェーンではない。だから内装も店ごとに異なるし、メニューも値段も異なるのである。世田谷店は「あんみつ珈琲」がオススメとメニューにもあったし、お喋り好きなマスターからもそうススメラレタ。
一見普通のあんみつにしか見えないが、黒蜜の代わりに珈琲をかけるシステム。小倉の甘みと珈琲の苦味が絡んで美味しかったです。
「へぇ~あんみつ珈琲ね」とモグモグ食べていると、マスターが切り抜きやら冊子を持ってやってきた。どうやら窓際の雰囲気ある席は「モリマリ」さんの指定席らしい。
モリマリさん、有名な方なのだろうか?スイマセン、私、その方知らないんですが、とマスターに打ち明けると、なんと文豪・森鴎外の娘だという。それはスゴイ!!! そして森茉莉さんも作家。残念ながら森茉莉さんの著書を拝読したことはないが、鴎外の「舞姫」は知ってます。高校時代の国語の教科書で読んだだけですが。
そして、帰りにはお約束の「マッチいただけますか?」
この後のやり取りはさすが邪宗門ならでは。マッチを使ったマジックを披露してくれます。
マスターに荻窪店にはよく行ってます、と告げると、「ママによろしくお伝えください」と。
このあと、すぐ荻窪店に行き、「さっき世田谷店に行って、マッチももらったんですよ。マジックしてくれて、種も分かったんですよ」、とマダムに偉そうに自慢した。すると、「じゃ、やってみて」と。
いざ、やってみると全然ダメですね。種が分かってもできるもんじゃない。ダメ出しされ、すっかりマジックは諦めました。マダムはさすが上手いです。
それから約1ヶ月後、また世田谷店を再訪問した。お客さんがいない電気も消えた薄暗い店内で、マスターが鉄の輪でマジックの練習をしていました。心残りだった森茉莉さんの指定席窓際の席に座った。マスターは私の顔はすっかり忘れたらしく、切り抜きやら冊子を持ってやってきた。「ここは森茉莉さんの席で…」と同じ説明をされた(笑)。
やっと心残りを果たすことはできたが、入口付近には蚊がプーン。脚を狙い撃ちされてしまい、大変だった。帰りに燃え尽きて灰になった蚊取り線香が入口に置いてあるのを見た。そりゃ、かゆいわけだわ。今度は冬にでも来よう(笑)。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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