何度も書こうとしその都度断念してきたのですが、今度こそしっかり書きます。昭島駅前・線路脇にある「香港」。
存在自体が奇跡です。
東京都昭島市昭和町2-7-25(昭島駅南口商店街)
なぜ「香港」かというと?
「中華レストラン」だからです。
え?何それ?ダメじゃん!純喫茶じゃないでしょ?
そんなツッコミ私には効きません。ここは誰が何と言っても純喫茶。純喫茶だと思えば純喫茶なのです(純喫茶の定義に意味なし)。庇の左右に「コーヒー」「トースト」の字がありますし、そもそも「香港」という店名が純喫茶カテゴリーに該当します(笑)。
初対面は桜の季節。
ドキドキしながら、さあ~店に入ろうとしたら、マスターが中から出てきて、「もう終わりです」とフラれてしまった(15時)。今度はもっと早く来ようと誓い、後日出直した時は桜の花がすっかり散っていました。
ドア脇の角の形にフィットしたショーケース。中身はほぼほぼ中華料理ですが、貼り紙の陰にコーヒーのサンプルが隠れています。
ドアを開けた瞬間、紫の光。
ああ好きだ、この感じ…淫靡なる紫よ。嗚呼。
くりんとカールしたカウンターの屋根からはオレンジ色の半円のペンダントライトがぶら下がっています。これだけでもう胸いっぱい…!
赤いスペーシーなライト。
1つしかないけど、これがあるかないかで大違い。ひゃああ~助けてくれ~
使えるかどうか分からないけど、ジュークボックスもあります。
壁には独特の中華モチーフ。
素敵すぎてぶっ飛びます!
純喫茶度100%です。いっそ「中華レストラン」を「純喫茶」に入れ替えて、「純喫茶 香港」にしちゃいませんか!? 東京都下でこのレベルの純喫茶は絶滅危惧なのですから。
いやはや…なんとも…はああ…
ここ、昭島駅からすぐそばだよね? 随分前から何度も昭島には来てるし、駅前の花屋の2階の「プリムローズ」にも何度か入ってるし、遠く離れた「てんとうむし」も行ってるのに、燈台下暗し。なぜ、こんな駅前をこれまで見落としてた?
中華だと思い込んでたけど、アラビアっぽくも見えてきました……
孤独の消毒液。
ぼんやりした窓際の席に座りましょう。
曇りガラス越しに次々と人影が通り過ぎていきますが、店内にはお客さんが全然いません。お昼時なのに(^_^;)。
中山美穂と見つめ合う特等席。
ふら~とマスターがお水とメニューを持ってきてくれました。
餃子が食べたかったのですが、この後予定があったのでやめておきました。
代わりにラーメン。
食後にコーヒー。
マスターは人当たりは良く、丁寧で低姿勢。
駅前とはいえ、他にお客がいない(入ってこない)この店に、いきなり入って来た珍客に対し怪しむでもなく、ごく自然にカウンターで佇んでいました。
また来たいと思える理想的な店主像です。
次は餃子を食べに来よう。年が変わり、夏の猛暑日に再びこちらを訪れた。
ぎょうざにはビールよね?
家では飲めても、1人で外では滅多にアルコールを飲みません。ビールであってもです。間が持たないというか、人からどう見られるかとか変なところを気にしてるんです(^_^;)。しかしここではすんなりいけた!
「香港」は別格なのです。
オトーシ? 野沢菜のお漬物。
餃子はごくごく普通の餃子だったけど、この空間で食べる餃子は格別。ライスも一緒に注文。
カウンター横のテレビでは橋本遊郭のステンドグラスが登場。珍しい型板ガラスを何種類も使ってると言ってましたが、見覚えのある画像が出てきて、なにやら不思議な気分。
マスターがはらりと雑誌をめくる音もします。
電車のガタンガタン、停車する時のシュー。道路を隔てて線路なので、たびたび青梅線が行き来する音が聞こえる。「香港」のBGMは音楽ではなく、生活音なのですが、とても心地よい。東京なのに、どこか遠くの旅先にいるような、この旅情は?
今度は夜の「香港」を味わいたい。またもや夢は広がるのでした。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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