大阪市西成区にある「コーヒーショップ マル屋」。
純喫茶マニアだったら誰もが知る、そのスジでは有名なレトロ喫茶である。いつか行かねばと温めて早7・8年。やっと憧れのマル屋へ!と期待に胸膨らませ訪れたのだが、心の準備はしていたものの、あまりの衝撃で…記事を書くのをやめようとまで思ったが、気が変わった。書いておきたい。
大阪府大阪市西成区千本北2-1-33
この店に行くには1つの難関があった。
同行者からの強い拒否。
「えーー! マル屋? 絶対行きたくない! 絶対、絶対無理」
拒絶反応が凄い。
てことで途中から別行動をし1人で行くことになった。
マル屋があるのは地図上では西天下茶屋が一番の最寄り駅だが、現実的な問題としてここまでの電車が少なく、天下茶屋から歩くことにした。
おかげでこんな素敵な「純喫茶紫苑」にも出遭う。閉まっていたので残念。次こそは絶対に行こうと思っているので、忘れないようここに写真を残しておく。
踏切を渡ると2又に分かれており、左の商店街に進む。
あれだ! 見るからに渋い建物。いいじゃない、素敵だよ。
こ、これは?
喫茶店でたまに見かけるソフトクリーム型のライトだが、尋常でなく黒ずんでいる。こんなソフトクリーム食べたくない……。
創業八+1年
これ見たとき創業8足す1年だと思ったが、少し考えて81年だと分かった(※2016年2月訪問)。物凄い老舗だ。ここまでの老舗ならボロ…いや年季が入ってても仕方ないか。
入口は2カ所あって、冒頭の写真の側から入った。入口にショーケースがあり、食パンが置いてあった。
で、その近くにコースターよりも小さいホットケーキのサンプル(いや、もしかして本物?)があって、嘘みたいな価格が付いていた。たしか80円じゃなかったかな?
内装は渋いレトロモダンで痺れるほどカッコイイ。
茶と黒の椅子が交互に並び、オレンジ(だったかな?)のペンダントライトや優美なデザインのパーテーションも素敵である。これは写真映えするタイプ。
入るとすぐに、これまた渋くてカッコイイカウンターからマスターが顔を出し、何を注文するか訊かれた。※席に着く前
うん? ここって、入店時に注文するシステムなのか?
色んな意味でテンパり気味だったが、「メニューはありますか?」と聞くと、「コーヒーとか○○とか」みたいな感じで口頭で告げられたので、もしやメニューがないタイプ?(純喫茶には多い)と思い、コーヒーを注文。
「160円です」
あれ? もしや前払い? と慌ててお財布を出そうとすると、「後でいいです」とのこと。
ここまでで、ドッと疲れた。
隅っこの目立たない席に隠れるように座る。テーブルには、灰皿、塩?、とシュガーポット。
シュガーポットと灰皿が同系色……。
コーヒーが出てきたので、引き換えに160円渡した。このシステムは食い逃げ防止の意味もあるのだろうけど、忙しいときにお会計に手が回らないときもあるだろうし、案外合理的なんじゃないかと思っている。
コーヒーの味はなかなか厳しく、酸っぱい。頑張って飲もうとしたが、ちょっと無理だった。この前にコーヒーの名店・伊吹で飲んだばかりだったのでその落差もあり、ほとんど残してしまった。
去り際にマスターから今更ながらメニューを渡された。
これは凄い……。
今にも崩れ落ちそうなメニュー表。
そっと開いてみたら、
読み取れない!
なぜ口頭でメニューを告げようとしたのか、その理由が分かった。あちこちに修正の形跡があり、消滅したメニューあり、付け足されたメニューあり。
その後、「どうだった、マル屋?」と聞かれたが、凄かったとしか言えなかった。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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コメント
たきじん
「ウイスキーコーヒー」とか不思議なメニューが有って興味深いです。しかし、酸味が強くて飲めないコーヒーというのは・・・。どういう豆なんでしょうかね。
2017/05/16 URL 編集
エムケイ
少しは事前情報はあったとはいえ、良い部分(レトロで渋い内装)しか見てなかったので、次から次へと未知の部分を発見し、とにかくビックリでしたが、メニューはその最大のものかもしれません。
コーヒーは酸っぱかったです><
作り置きで酸化したとかでしょうか?
2017/05/17 URL 編集
blackcoffee1964
先日、大阪に行く機会がありまして、マル屋さん訪問してきました。
衝撃的でした…昭和…それも30年代の店内に飲み込まれてしまいました。
店主もどことなくチャップリンを似ていますね。
後の工程もあり、ゆっくり出来なかったのが悔やまれます。
その後、同じ商店街の「ドゥービー」に入店し、令和に戻ることが出来ました…
2022/08/24 URL 編集
エムケイ
衝撃でしたか?
いい意味だろうか? それとも?
私は後者の衝撃が強く、内装のモダンさが吹き飛んでしまいました。
あれから何年も経ってるので、今は違うかもしれませんが、酸っぱいコーヒーが忘れられません(^_^;)
店主は大変インパクトありますね。
「ドゥービー」は知りませんでした。
2022/08/25 URL 編集