ナニゴトも過ぎたるは及ばざるが如し。だが、そんなケチな常識を覆す純喫茶がある。
大和駅前の「純喫茶 フロリダ」だ。
ややもすれば胸焼け一歩手前の過剰な色使い。一瞬無料相談所?と疑い、目をそむけたくなる極太フォントと扇情的な看板。コーヒー、純喫茶と同列にカラオケ、パブというキーワードまで並ぶ。看板にはパトランプ。
声高らかに叫びたい。やりすぎ上等。フロリダ万歳!
神奈川県大和市大和南1-4-2
横浜中心に神奈川県の情報提供をしてくださるH様のおかげで、今年の夏は横浜への扉が開きました。この日もあちこち巡りました。相鉄線の純喫茶にも行き、ふと思い浮かんだのがフロリダ。
前回の訪問から経ってるので、そろそろあの刺激的な空間に身を置きたい。
そういえば夜の様子ってどんなだろう?
日中も相当ですが、夜はネオンが怪しい。
気軽に入れるノリじゃないよね。
極彩色の階段を上るとカラオケパブ。中からは歌声が聞こえてくる。うーん。夜はやっぱり濃い。
さて、2年ぶりに純喫茶の扉を開ける。
あ、れ!? ガラガラ?
ノーゲスト? 店内を思い切ってぐるっと一周してみた。
相変わらず色使いが派手だ。絵、書、写真が目一杯埋め尽くしている。
水墨画もあれば、ニューヨークだろうか?アメリカらしき都会の夜景、パンダ、白熊、ライオン等動物の写真。たしか以前は冬ソナのポスターが貼ってあったような? 今もあるかもしれないけど、多すぎて探せなかった。以前から増えてるのか減ってるのか。お客も知らなければ、お店の人も知らなかったりして。
たっぷり鑑賞したところ、ひっそりとお客さんが1名紛れてるのに気付く。
半貸切状態。思い切って真ん中に座ってみる。360度見渡せるパノラマ席へ。
レモンスカッシュを飲みながら、漫画の棚から「ミナミの帝王」を選ぶ。(巻数がバラバラで途中を読んでも通じるのがこれしかないので)
隣からはカラオケがよく聞こえてきました(笑)。
それにしても人が入ってこない。いや、1人だけいた。
「○○さん来てる? え?いない? じゃ!」と人探しに入ってきた強面のお兄ちゃん。すぐに出て行ったけど。
そのうち、ひっそりと漫画を読んでた先客も帰ってしまい、私1人に。経営が心配です。次ぎ来たらなくなってるなんてイヤですよ~ ><
1時間過ごしたところで、マダムにいくつか質問をしました。
まずは沢山の絵について。「絵が好きなんですか?」
絵はオーナーが好きで飾っているとのこと。
オーナー? このマダムはオーナーじゃなかったんだ?
あと、天井の球体が連結した環状の照明について。
30年前まではクラブだったそうで、その名残。そっか!クラブだったのか! 道理でお会計カウンターの造りもそれらしいわけです。
当時は毛の長い絨毯も敷いていたそうな。
しばらくは昼は喫茶店、夜はクラブの二毛作営業をしていたが、途中から喫茶専門になったらしい。
そうやってフロリダの歴史をひも解くと、なるほどクラブの面影は随所に見られます。
そういえば、一時期キャバレーみたいな内装の純喫茶を求めていました。
テンション上がって思い切って告白。
「すごく好きです」
だって、本当に好きなんだもん。好きなものなんでもぶち込んだ空間には統一性はない。でも、このカオスさはフロリダの最大の魅力です。どんなお客でも、どんな目的でも、なんでも受け入れる大らかさ。広いしね。
平日日中は仕事関係で、会議室代わりに利用するお客さんも多いのだとか。大人数でも入れる喫茶店として重宝されてるようです。
それを聞いてホッとしました。いやー。こんなに広くてガラガラじゃ、潰れてしまうんじゃないかって心配してたので。
すると、どこからともなく60歳前後の男性登場。ソフトバンクの孫さんに似た雰囲気。
「こちらのお客さん、うちの店好きって言ってるわよ」
オーナーでした。えっ!? 男性だったの? 冬ソナのポスターを見たその日から、ヨン様好きな女性がオーナーだと思い込んでいたので。可愛い動物とか花の写真と、オーナーが重ならないのです ><
フロリダ、奥が深い。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
ヤスシ
2次会で訪れたのがこちらでした・・(^^;)
内装とか全く覚えていませんので
現在「カラオケパブ」として
使われている空間だったかも知れません・・
「昭和遺産」と言えば聞こえが良いですが
「昭和の遺物」と呼んだ方がピッタリくるような
インパクトだけはムダに大きい外観ですよね(笑)
未だ現役なことに何より驚きましたが
大和駅周辺の「もっさり」した雰囲気が
レトロ好きな方にはグッと来るのかも・・(^_−)−☆
(ちなみに大和市・中央林間在住です)
2017/08/04 URL 編集
エムケイ
結婚式の2次会に? それもご自身の。思わずこのブログがざわざわとどよめきましたよ。
30年前は多分今とは内装が違った可能性もありますし、カラオケパブの方だったのか、純喫茶の方だったのか?
とても興味深いですね。当時も純喫茶側のドアに「純喫茶」との文字は入ってたのかしら?
>「昭和の遺物」
たしかに外観含め遺物ですね。あの南店街そのものがド昭和すぎて初めて見た人はドン引くでしょう(笑)。
2017/08/06 URL 編集