【武蔵小杉】ブラジル（2017年6月29日閉店）

武蔵小杉に来たのは何年ぶりだろう？

古い記憶ではずっと駅の工事をしてて、あちこちバリケードで囲まれてて、一体武蔵小杉はどうなることかと思っていたら、見違えるように最先端の駅みたくなってて、えーーー！って唖然とした覚えがある。

たしかあれは横須賀線開通のための工事だったはずだけど、その後あれよあれよという間に武蔵小杉はメジャー化していった。

「東京DEEP案内が選ぶ 首都圏住みたくない街」でも『似非セレブすぎて無理ゾーン』として絶対住みたくない街にランキングしたのも記憶に新しい。

またもや古い記憶を掘り起こす。

今はどうなってるか知らないが、適当に散策していたらゴチャゴチャした界隈の雑居ビルの2階にビアンという純喫茶があった。気になって入口まで行くもヤバい店かもしれないと思いこみ、結局入らず、その後正統派の店だと知り訪れたときにはすでに閉店していたという苦い過去もある。

だから余計に武蔵小杉の生き証人のような昭和の残り香を今に残す「ブラジル」には、ぜひとも行っておきたかったのである。

結構広いのね。そして綺麗目。

外観ほど昭和ではないかな(^_^;)。

普通の木製の椅子と赤いシートのソファが並び、壁は鏡。パーテーションの上を本棚代わりにして、『永遠の０』などの漫画の単行本が置いてあった。

カウンターの中にある棚がグラスが並んでてライトアップされてて、老舗のバーみたくていい雰囲気だった。

8時30分の開店直後に入店したのだけど、すでに何組かのお客さんがいた。

ＢＧＭはボサノバ。

モーニングセットは600円と少し高く感じるが、熱々のトーストは美味しかったし、サラダは小ぶりのように見えて実はぎっしり野菜が詰まっていたので内容に見合った値段設定といえる。

ここで恥をさらしておこう。

半切りにしたゆで卵の横に、赤いのが見えるでしょ？　これを見たとき、なぜかケチャップだと思い込み、パンに塗ってホットドックみたくするのかな？　それともゆで卵につけて食べるのかな？　でも私はケチャップ必要ないけど。全部食べ終わってから、最後にケチャップが残ってしまい、「これ要らなくない？」と同行者に聞く。

「え、塗りたい人だけ塗ればいいんじゃないの？」

あーーーー！　ジャム！　そっかジャムだ。

何だろう、位置の問題かな。それとも入れ物がジャムぽくないからかな。もしジャムだったらトーストに塗ったのに残念。食い物の恨みはおそろしい。

なんかどうでもいい事を恨みがましくつらつら書いたけど、その時は結構がっくりきたので一応報告。

伝票は店名入り。ブラジルの頭に付いているのはスナック喫茶。

正直内装は健全すぎて純喫茶欲はさほど満たされなかったが、妙に居心地が良く心の底から寛いでしまった。なんだかんだで1時間以上の長居。

気付いたら、ほとんどの席が埋まっていた。見た感じ私のような駆け込み訪問のお客さんはいなさそうだった。

閉店理由はビル老朽化による建て替えだとのこと。

1階の純喫茶ブラジルだけでなく、2階の洋酒コンパ ブラジルも閉店する。

せっかくなので、コンパの方も見に行った。

うわーーー！　このプレートの文字がド昭和すぎて痺れる。

ちゃんと右用もある。

扉の向こうにはどんな世界が広がっているんだろう？

そういえば江古田にも江古田コンパなんてあるけど、コンパってそもそもなんなのか実態が謎すぎる。純喫茶なんかでもたまに貸切でコンパでの利用可とか案内あるし。合コンの意味ではないみたいだけど？

朝日新聞の地域版でも大きく取り上げられたようで、入口に切り抜きが貼ってあった。

「工場地帯～摩天楼　街の移ろい見つめ半世紀」と書かれているが、ここで言う摩天楼というのは急増したタワーマンションのことだろうか。