【十条】喫茶室 樹里（ジュリ）（閉店）

こちらには4年前に一度行ったきり。

前からモーニングで入ってみたいと思っていたので、この機会に。

アプローチに見どころがたくさんあって、入る前からワクワクさせてくれる地下の純喫茶である。

まず看板からして際立っている。里の字の底辺のにょろにょろ（〰）が味わい深い。

そして階段の入口付近。タイルの壁を背景にした純喫茶的装飾が目を楽しませてくれる。

凝ったレリーフも掛かっている。樹里を意味するのか、樹木と鳥。

そこからプレートがぶら下がっており、さらにぶら下がる「いらっしゃいませ」のプレート。コーヒーやパフェなど喫茶盛りだくさんなイラストに喫茶心がくすぐられる。

ライトも含めると、トリプルペンダント。

広々した店内は、地下だが閉塞感はない。

一見したところオーソドックスな内装に思われるが、奇抜な造り。天井は大胆に斜めにカットされており、くり抜かれた内側からはレトロな照明が垂れ下がっている。

壁はギャラリーになっており、写真がセンス良く飾られている。

ほんのり青みがかかった明かりに気持ちが落ち着く。

モーニングは8：00～13：00

随分遅くまでやってるのね！

まずはコーヒー登場。

シュガーは2種あるのでお好みで。

トースト、サラダ、オレンジ一切れ、ゆで卵がワンプレートで出てくる。

500円でこれだけ盛りだくさんなら、安いかも！

……と思っていたら！

後から昆布茶、フルーツ（バナナ・パイナップル）、ヨーグルトまで！

（メニューに記載がないので、この日だけの特別サービスの可能性アリ）

ええええ～～～～！　凄いよ～～～～！

モーニングセットがこんなに豪華とは知らなかった。やはり一度訪問しただけでは分からない。もしかしたら次から次へと純喫茶の新規訪問をするのは単なる下見で、本番は再訪問にこそあるのかもしれない。そう考えると、軒数を重ねていくのも、幸せ気分になれる純喫茶を自在に取り出すための意義ある作業ではないか、と自己正当化。ただ最近では記憶の底に沈んだまま浮かび上がらず消えていく珠玉店が増えていくばかりだが。

長居するお客さんも多い。先客の方は隣でビールを飲んで寛いでいた。ここで純喫茶なのにアルコールなんて！というクレームは即却下する。純喫茶におけるアルコールの有無はあくまでも定義上だけの話である。

私も時々気分が良いとビール頼むことあるし。

マスターとママさんは忙しそうだったので聞きそびれたが、たしかマッチも置いてあり前回訪問時にいただいていたはず。時間があるとき探してみよう。

良い純喫茶の近くには、良い純喫茶がある。なぜか分からないが、これは純喫茶分布図によく見られる傾向で、十条駅前もその一例。樹里の隣には素敵な純喫茶「スヰング　（SWING）」がある。

当初樹里を出た後でこちらにもハシゴするつもりだったが、お腹がパンパンになってしまい、腹ごなししてから入ろうと歩き始めたら赤羽まで行ってしまい戻ってこれなくなった。

2013年2月に撮った写真。樹里は写真館との兼業で、当時は喫茶室と写真館の庇が並列していたが、現在は樹里の隣の庇は某牛丼チェーンに変わっている。喫茶も年々減っているが、写真店もまた急速に減りつつあることを改めて思った。