忘れた頃にこっそり報告。
郡山「純喫茶 モナミ」にフラれ、それを≪モナミの悲劇≫というタイトルで投稿したが、これはけっして大げさな表現ではなく、当時の私の正直な気持ちだった。
2ヶ月後、万全の準備をしてこの純喫茶を目指した。
福島県郡山市清水台1-6-28
今だから正直に告白すると、前回の訪問時にも直前に電話で営業確認している。営業時間が変わってたら困るので念の為にと。
ところが運が悪いことに、福島滞在する週は全部休みだというつれない返事。
えーーー! なにそれ! 勘弁してくれ、よりによって私の行くときに限って。しかし福島行きはすでに決定しており、モナミが休むからといって日程の変更はできないのだった。
そんなわけでやってないことは分かりきった上で、それでも実物を見ておきたい、また万一何かの状況で急に休みがなしになるかもしれない、そんな宝くじよりも低い可能性に賭けたのである。結局は予定通り休みだったのだが。
なので、今回はやってなかったら郡山にはいっそ行かない位のつもりで電話確認をし、絶対やってるという確証をとった上で訪れたのだが、それでも一抹の不安はあった。突如先方に急用が入ったりしたら……。
安積国造神社の鳥居をくぐる。参道脇に小さな看板の付いた歪な形をした古びた建物があり、そこを曲がると見えてくる。日の丸みたいなコカコーラの看板、植物に埋もれた独特の雰囲気。もし何も知らずに迷い込んだら腰を抜かしてしまいそうな立地に純喫茶モナミはある。
本当にやってるか心配で、営業時間の11時より少し早く着いてしまった。
前回と違い、植木の隙間から明かりが漏れている。ドキドキして近寄ると「準備中」。
やっぱり早すぎたか? このまま店先で待つのも気まずいので、ぐるっと1周してまた戻って鳥居からやり直した。
11時ジャストにもう1度来たら、まだ「準備中」。でももう待てない! 半ば強引にドアを開けたら、「あら~~ごめんなさいね。どうぞ」と電話で聞いたときと同じ、明るいハツラツとしたママさんが出迎えてくれた。
三角形だろうか?
変わった形をしており、奥が狭くなっている。それに合わせて奥のテーブルが斜めに配置。小刻みな段差もある。
丸のままの木をパーテーション代わりにしてて、壁には絵画も飾ってある。そこに照明があたり画廊喫茶的。
アプローチ含む外観が鬼気迫るほどの世界観なので、店内にも期待していたが、意外にあっさりしていた。もっと恐ろしく怪しげな神社的要素があるのかと身構えていたので、そのせいもあろう。しかしながら、ここまで妄想ふくらます外観でなく、そこそこ良い程度の外観だったら、飛び上がって喜んでしまうはず。珠玉であることに変わりはない。
トイレが古い和式なのに掃除が行き届いてピカピカだったのには感動した。
アイスコーヒー
壁際には紙が黄ばんだ漫画が並んでおり、そこから選んだ1冊。
「ナインなんだから、バターを食べるとボインになるぞ」と隣に住む幼馴染が憎まれ口を叩くという、展開が容易に読めるベタな設定。
外は雨が降っており、ボリューム大き目のラジオと混じり合い、でも他にお客さんが入ってくる気配はまったくなく、店内はある種の静けさが貫かれている。
いつの間にかママさんの姿も消えていた。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
あかりのまま
土地の形が独特なんでしょうか。三角? そのおかげでモナミの個性が生まれているのかなあと思いました。外観も中も。いつか行って確かめたいものです。
マコとツトムの漫画は里中満智子先生かな?読んだことはありませんが、絵のタッチに見覚えがあります。
2017/05/29 URL 編集
エムケイ
私も事前に電話確認していたにも関わらず、ドキドキしながら向かいました。
多分土地の形が独特なんでしょうね。
書かれている通り、そのおかげでモナミの個性にもなっています。
もしこれが大通りに面して堂々リニューアルオープンなんぞしたら、まったく興味が持てないに違いないです。
マコとツトムの漫画は里中満智子先生です。
絵のタッチがね、そういつも同じですからね。
主人公はいつも同じ女の子、マドンナ役の女の子は黒髪で目が真っ黒く塗りつぶされてます。
2017/05/29 URL 編集